斎藤環×堀江敏幸トークショー[第24回ビブリオテック文明講座]

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『パウル・ツェラン詩文集』(白水社)刊行記念
斎藤環×堀江敏幸トークショー
「ツェランの言葉の力」

3・11以後、多くの人々が様々な場所で、未曾有の大災害と向き合い、
それ以後を生きるために「言葉」を模索しています。
震災後一周年に向けて、『パウル・ツェラン詩文集』(白水社)が刊行されました。
20世紀の最も過酷な歴史を生き抜き、極限状況と絶望的な苦しみの体験を経たツェランの言葉は、震災後の今を生きる私たちの心に強く訴えかけてきます。
この繊細にして強靱な詩人の言葉の力に、精神科医の斎藤環さんと作家の堀江敏幸さんが迫ります。
ツェランの言葉にじっくりと向き合う充実した2時間をお過ごしください。

日 時:2012年3月31日(土)
    17:00〜19:00(16:30開場)

参加費:1,500円(当日精算)
予約制:電話または、メール(biblio@superedition.co.jp)にて、メール受付の場合は 件名「ツェラントーク希望」・お名前・電話番号・参加人数、をお知らせ下さい。おって返信メールで予約完了をお知らせいたします。

    Tel.03-3408-9482
    ※50名様になり次第締切り
電話予約受付:火〜土曜 12:00〜20:00
      日、祝日 12:00〜19:00
会 場:Bibliothèque(ビブリオテック)

ゲストプロフィール:
斎藤環(さいとう・たまき)
医学博士・精神科医。医療法人爽風会佐々木病院精神科診療部長。
1961年、岩手県生まれ。専門は思春期・青年期の精神病理学、病跡学。批評家として文芸・アート・サブカルチャーなどについても著書多数。
著書に『文脈病 ラカン/ベイトソン/マトゥラーナ』(青土社)、『文学の徴候』(文藝春秋)、『関係の化学としての文学』(新潮社)、『「文学」の精神分析』(河出書房新社)、『ひきこもりから見た未来』(毎日新聞社)、『「社会的うつ病」の治し方』(新潮選書)、『キャラクター精神分析』(筑摩書房)、『生き延びるためのラカン』(ちくま文庫)など。

堀江敏幸(ほりえ・としゆき)
作家・フランス文学者。早稲田大学文学学術院教授。
1964年、岐阜県生まれ。95年『郊外へ』(白水社)で作家デビュー。
『おぱらばん』(新潮文庫)で三島由紀夫賞、『熊の敷石』(講談社文庫)で芥川賞、「スタンス・ドット」で川端康成文学賞、『河岸忘日抄』(新潮文庫)で読売文学賞、『正弦曲線』(中央公論新社)で読売文学賞受賞。訳書にジャック・レダ『パリの廃墟』(みすず書房)、フィリップ・ソレルス『神秘のモーツァルト』(集英社)他。近刊に『なずな』(集英社)、『振り子で言葉を探るように』(毎日新聞社)、『時計まわりで迂回すること 回送電車V』(中央公論新社)など。

書籍情報:『パウル・ツェラン詩文集』パウル・ツェラン著/飯吉 光夫 編訳
発行:白水社
価格:2,520円(税込)

極限状況をくぐり抜けた言葉の光
「もろもろの喪失のなかで、ただ”言葉”だけが、失われていないものとして残りました」。未曾有の破壊と喪失の時代を生き抜き、言葉だけを信じつづけた20世紀ドイツ最高の詩人の代表詩篇と全詩論。改訳決定版。

「あの日」から私がもとめたのは、死者たちを「悼む」言葉ではない。
彼らと「ともにある」ための言葉だ。そこにツェランの言葉があった。
絶対的な脆弱、絶望的なまでの希望、そして戦慄的な優しさをはらむ言葉が。
――斎藤環(精神科医)

著者:パウル・ツェラン Paul Celan(1920〜1970)
1920年、旧ルーマニア領、現ウクライナ共和国内のチェルノヴィツでユダヤ人の両親のもとに生まれる。ドイツ語を母語として育つ。第二次世界大戦が勃発、ドイツ・ルーマニア連合軍によりチェルノヴィツが占領されると、両親がナチスの強制収容所に連行され、父は病死(または射殺)、母は殺害される。ツェランは強制労働収容所で肉体労働に従事。44年、チェルノヴィツに帰還後、収容所などで書いてきた詩をまとめ始める。52年、第一詩集『罌粟(けし)と記憶』を刊行。以後、8冊の詩集を刊行。版画家ジゼル・レストランジュと結婚。58年、ハンザ自由都市ブレーメン文学賞受賞。60年、ゲオルク・ビューヒナー賞を受賞、受賞講演「子午線」を行なう。61年頃から重い精神病を患い、70年4月、セーヌ川に投身自殺。

編訳者:飯吉 光夫(いいよし みつお)
1935年旧満州奉天生まれ。59年東京大学独文科卒業。62年同大学院修士課程修了。73〜74年ベルリン・パリに滞在。首都大学東京名誉教授。
主要著書:『パウル・ツェラン』(小沢書店)『傷ついた記憶』(筑摩書房)
主要訳書:ツェラン『罌粟と記憶』(静地社)、『閾から閾へ』(思潮社)、『ことばの格子』(書肆山田)、『誰でもないものの薔薇』(静地社)『息のめぐらし』(静地社)、『絲の太陽たち』(ビブロス)、『迫る光』(思潮社)、『雪の区域』(静地社)、『パウル・ツェラン/ネリーザックス往復書簡』(ビブロス)、グラス『ギュンター・グラス詩集』(青土社)、『本を読まない人への贈り物』(西村書店)、アンドレーアス=フリードリヒ『舞台・ベルリン──占領下のドイツ日記』(朝日選書)、R・ヴァルザー『ヴァルザーの詩と小品』(みすず書房)。