「ミシェル・ルグランの世界」連続講座開催

月刊てりとりぃ+Espace Biblio共同企画
連続講座:「ミシェル・ルグランの音楽世界」(全4回)
講師:濱田高志(アンソロジスト)

齢80を過ぎてなお精力的に活動を続ける映画音楽の巨匠ミシェル・ルグラン。本講座では彼の半世紀以上に亘る活動を大きく四つのカテゴリに分けて紹介する。
講師にはミシェル・ルグランと深い親交のある濱田高志氏を迎え、ここでしか観られない秘蔵映像や貴重な音源を豊富に紹介、その軌跡を辿る趣向だ。

第1回 10月26日(土)
「映画1:ヌーヴェル・ヴァーグ、ゴダール、ジャック・ドゥミ」

映画音楽家としての実質的デビュー作「アメリカの裏窓」からゴダールとの一連の作品、さらに盟友ジャック・ドゥミとの仕事の数々を本邦初公開の貴重な資料と共に紹介。終了

第2回 11月9 日(土)
「映画2:ハリウッド、英米の監督たち」

「華麗なる賭け」「おもいでの夏」といった代表作はもとより、日本未公開の隠れた作品まで、映画作品を時系列に沿って紹介。その卓越したセンスと時代ごとの作風の変遷を辿る。→終了

第3回 11月30 日(土)
「ジャズ、オーケストラ・アレンジ、ミュージカル」

活動初期のジャズ、オーケストラ作品から各国での演奏活動、さらには頓挫したミュージカル「Brain Child」、「ロシュフォールの恋人たち(舞台版)」、最新バレエ「リリオム」まで、未発表デモやリハーサル映像など蔵出し素材と共に紹介。

第4回 12月14日(土)
「ソング&パフォーマンス」

様々な映画作品の主題歌や自身のヴォーカル・アルバム収録曲など「歌曲」を中心に紹介。もはやスタンダードと化した「I Will Wait For You(シェルブールの雨傘)」や「What Are You Doing The Rest Of Your Life(これからの人生)」などを楽曲の誕生秘話や貴重な演奏風景と共に。

各回15:00〜16:30(14:30開場)
[参加費]各回1,500円(当日精算)*単独・複数申込可

[予約制]メール(biblio@superedition.co.jp)または電話(Tel.03-6821-5703)にて受付。

メール受付:件名「ルグラン講座希望」にて参加希望日(単独、複数可)・お名前・電話番号・参加人数をお知らせ下さい。おって返信メールで予約完了をお知らせいたします。

※定員70名様

[会 場]ESPACE BIBLIO(エスパス・ビブリオ)
地図→http://goo.gl/maps/uIPqv

講師プロフィール:
濱田高志(はまだ・たかゆき)
音楽ライター兼アンソロジスト。これまで国内外で企画・監修したCDは400タイトルを数える。ほかに『MONO AQUIRAX 宇野亜喜良モノクローム作品集』、『Posters in Wadaland―和田誠ポスター集』(愛育社)といった画集の編集や、BSフジ『HIT SONG MAKERS 栄光のJ-POP伝説』の監修など様々な分野で活躍。現在は「イージーリスニング・ステーション」(USEN)の選曲やCM音楽を中心とした発掘企画「TV AGE」シリーズの企画・監修に従事。
ミシェル・ルグランからの信頼も厚く、世界初の公認本「ミシェル・ルグラン 風のささやき」(音楽之友社)を執筆したほか、「コカ・コーラCMソング データブック」(ジェネオン)「Love Sounds Style読本」など編・著作多数。なお前述の「ミシェル・ルグラン 風のささやき」は近く増補改訂版の刊行が予定されている。

ミシェル・ルグランの横顔
1953年2月、21歳の時に手掛けたディジー・ガレスピーとオペラチック・ストリングスの編曲・指揮で注目を集めて以来、半世紀以上、休む間もなく精力的な活動を続けてきた彼は、フランスを代表する楽団指揮者レイモン・ルグランを父に持ち、母は楽譜出版社を経営するマルセル、そして2歳年上の姉は、のちにスウィングル・シンガーズのリード・ソプラノとして名を成すクリスチャンヌという、まさに絵に描いたような音楽一家のなかで育っている。
11歳の時にパリのコンセルヴァトワール(国立高等音楽院)に入学。翌年には上級ソルフェージュ第1位をとって首席となり、その後1949年に和声学部第1位の成績を修め、1952年、20歳にして通常より4年も早く同校を卒業。ほどなくプロとしての活動をスタートさせた。
父の手伝いで映画音楽に手を染めたのは10代半ば。以後、『過去を持つ愛情』(54年)を振り出しとして、本格的に映画音楽を書き始めるが、その一方で自己のグループを率いてパリのクラブで熱演を見せ、若くして周囲の話題をさらっている。作編曲の才に長け、時にその歌唱をも披露する多彩な音楽性は、すぐさまレコード会社の目に留まり、やがてピアノ・トリオや楽団名義でのレコードを矢継ぎ早に発表。1958年には、マイルス・デイヴィスやビル・エヴァンスらを従えたリーダー作「Legrand Jazz」で、その名を全米に轟かせた。
また、帰国時に盟友ジャック・ドゥミと組んだ『シェルブールの雨傘』(64年)のヒットは、彼に世界的な名声をもたらし、続く『華麗なる賭け』(68年)、『恋』(70年)『おもいでの夏』(70年)、『三銃士』(73年)も国内外で高い評価を得ている。
1980年代以降は、映画音楽に従事する傍らでクラシックの分野における指揮や監督業にも意欲を見せ、1990年代後半には、初の本格的な舞台劇『壁抜け男』で新境地を切り開いた。同作はフランスの演劇界では異例ともいえる1年2ヶ月に渡るロングランを記録したのち、日米韓で上演を行い、好評を得た。
近年はコンサート活動と舞台音楽の創作に意欲的で、近作ミュージカルとして、アレクサンドル・デュマ原作の『モンテクリスト伯』、椿姫を題材にした『マルグリット』を書き上げたほか、ドルフュス事件に材をとったオペラの作曲が控えている。
華々しい受賞歴を持ち、3度のアカデミー賞と複数部門による5つのグラミー賞、さらには各国での映画・音楽賞や功労賞の受賞およびノミネートなど枚挙に暇がない。
なお今秋ブルーノート東京などでの来日公演が決定している。

「月刊てりとりぃ」について
アンソロジストの濱田高志が編集・発行人を務めるフリーペーパーで、毎月最終土曜日に限定150部発行という少部数ながら、執筆陣は宇野亜喜良、村井邦彦、泉麻人、桜井順、古川タク、山上路夫、堂場瞬一、加藤紀子、鈴木啓之、加藤義彦、安田謙一、meg rock、麻生雅人、草野浩二ほか様々な分野から総勢60数名が寄稿している。
また週刊ペースで「月刊」とは全く異なる記事によるWEBマガジン「週刊てりとりぃ」(http://weeklyterritory.blogspot.jp)も配信中(毎週木曜日深夜更新)。こちらでは桜井順×古川タクによる新作アニメーションやアーティストのインタビュー動画、同人によるおすすめアイテムの紹介記事などが掲載されている。